Auto feeder

    熊本県天草市楠浦湾,マダイの養殖場
     (中央の白い箱は自動給餌装置)

red seabream net pen
     3歳魚のマダイの養殖生け簀の例
  (1つ生け簀に約1万尾が飼育されている)


マダイ,ブリ類,サケ類などの魚類養殖生け簀では,最大で10〜20 トンの魚が飼育されています.その養殖魚は毎日餌を食べて成長していきますが,魚体重量の増加として残る部分は1〜2割程度にすぎません.そのため,大量の糞や残餌が発生して水中の溶存酸素を消費してしまい,飼育されている魚は低酸素条件に曝されることになります.

生け簀における夜間の溶存酸素濃度低下とマイクロバブル発生による回復

03 マイクロバブル1日変化 2009-アクアネット

熊本県天草市楠浦湾のマダイ養殖場の例,堤 (2009)より引用・改変

通常の生け簀(コントロール生け簀 12 m x 12 m x 8 m)の中では溶存酸素濃度の「日周変化」が起きていました.昼間は植物プランクトンの光合成による酸素放出量が,飼育魚の呼吸や残餌・糞などの分解による酸素消費量を上回り,溶存酸素濃度は上昇して飽和付近の濃度(約7 mg/L)が保たれます.一方、夜間になると,植物プランクトンの呼吸による酸素消費が加わり,溶存酸素濃度が低下します.この生け簀では,暖水期(7〜9月)になると,夜間には毎日のように,飼育魚は5 mg/L を下回る低酸素状態に曝されていました.

マイクロバブルを用いた曝気による溶存酸素濃度の回復

マイクロバブルの供給生け簀には,水中ポンプ一体型のマイクロバブル発生装置1基が設置されています.午後5 時から翌日の午前8時までの15時間,毎日稼働させました.すると,夜間の溶存酸素濃度の低下が発生しなくなり,飼育魚は飽和または飽和に近い溶存酸素濃度の水中で終日生活することが可能となりました.

(引用文献:堤 裕昭(2009)マイクロバブルとイトゴカイを用いた海底汚泥浄化.アクアネット 2009.11,40-45)

マイクロバブルを用いた曝気によって生け簀の溶存酸素濃度の低下を防止する効果

飼育魚は低酸素状態に曝されると,摂餌活動が鈍り,徐々に体力を失っていきます.また,遊泳も利用できる酸素が減少するので,鈍くなります.生け簀の溶存酸素濃度の低下を防止すると,このような問題を解決することが可能となり,成長促進や肉質の改善(遊離アミノ酸量の増加,脂肪含量の低下)の効果を期待することができます.これらの効果に関する研究例については,以下の文献をご参照ください.

[ 参考文献 ]

Tsutsumi H, Srithongouthai S, Hama D, Takase I, Nishi T (2014) 8.2 Application of microbubble

  generator to aquaculture farming. In: Tsuge H ed. Micro-and Nanobubbles. Fundamentals and

  Applications. Pan Stanford Publishing, Singapore, pp. 230-243.

堤 裕昭 (2007) 環境改善による養殖魚の肉質・生産性の向上.月刊養殖 2007年3月号,pp. 66-69.

堤 裕昭 (2009) マイクロバブルとイトゴカイを用いた海底汚泥の浄化~魚類養殖による環境悪化とその解決策~

  アクアネット 2009年11月号,pp. 40-45.

堤 裕昭 (2017) マイクロバブルの特性と現場における酸素供給効率化.月刊養殖 2017年9月号,pp. 16-19.


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